作品24シェパードの海土くん
海土が帰って来ました。
酒井様から「海土くんの順番が回ってきましたよ」とご連絡いただいた3日後に夢を見ました。
子犬を抱いた私が、海土を探している夢でした。
大声で「海土」「海土」と叫びながら探している所で目が覚めたので、後味が悪かったのは言うまでもありません。
夢で探していたのだから、夢で見つけなければなりませんが、うまくはいきません。
そして、夢を見ないまま丁度2週間経った時に届きましたので、本当にビックリしました。
箱を開けると、それぞれに「おかあさん、ただいま かいと」と「ただいま 海土」と書かれたカードがぶら下がっていました。
顔は、丁寧に包まれていましたので、顔を見た時には、涙が止まりませんでした。
今回、2ポーズお願いしました。
2年程、歩けない状態でしたので、毎日見ていた伏せをしているポーズと、元々横座りをする子でしたが、後肢が弱ってきてからは、パンダちゃん座りをするようになり、それが海土らしいなと思って、この2つに決めました。
表情や、更に細かい点を詰めていく際に、色々な写真をお送りし、酒井様とご相談しましたが、その中で、「海土は、こんな器用なポーズで寝る時があるんですよ」と後肢と顔が反対を向いたねじりのポーズの写真をお送りした時には、「まぁ、確かにねじりのポーズ!初めて見ました」と大変ビックリされていましたね。
海土は、先代の海(かい)が1歳で突然亡くなってしまった後に来た子で、当時、まだ、海の死が受け入れられずにいた私が、「海の写真がない」と泣いている時、ふと見ると、海土が私の足に顎を乗せて私の顔を見つめていました。
「どうして泣いてるの?僕が居るじゃない」
それから15年、あの時の子犬の目に嘘はありませんでした。
海土くん、お帰り。
今まで、ずっと私を守ってくれて、ありがとう。
これからもずっと一緒だね。